人類の40%が使う調理燃料は、薪、炭、動物の糞、作物残渣、石炭です。
こうした固形物が燃えると、多くの場合、家庭内や換気が限られている場所で、毎年430万人の早期死亡の原因になっています。
こうした固形燃料で調理することがもたらす害は、家庭や家族にとどまらず地球の気候にも及んでいます。
昔ながらの調理法は、世界全体の年間温室効果ガス排出量の2〜5%を占めます。
第一に、持続可能でない燃料採取によって森林破壊と劣化が進行し、第二に調理過程で燃料を燃やすと、二酸化炭素、メタン、不完全燃焼による汚染物質が放出されます。
ブラックカーボンは気候に特に有害で、健康にも有害です。
家庭燃料の燃料は、他の温室効果ガスとともに、ブラックカーボン排出量の約1/4を排出している為、それを制御する決め手はクリーンな調理コンロです。
様々な改良型の調理コンロ技術が存在し、排出量に対する影響も様々です。
最も有望なのは、ガス化技術を用いた高度なバイオマスコンロです。
2010年に国連財団が立ち上げたGACC「クリーンな調理コンロ普及のための世界連盟」は、調理がうまくでき、燃焼効率が良く、人も地球も害さない家庭用調理技術の活発なグローバル市場を創出することを目指しています。
そういうコンロが2020年までに1億台採用され、2030年には世界共通に採用されることを計画しています。
多くの場所で燃料を集め、食事を準備する弊害をもろに受けているのは、女性と女児です。
クリーンな調理コンロは貧困を根絶し、暮らしを底上げする可能性を持っている事になります。
クリーンな調理は、気候変動を抑える迅速な変化につながると言えます。
調理による排出削減の機会は年1ギガトンの二酸化炭素かそれと同等の範囲にあると考える研究者もいます。
その可能性を終わらせないためには、手頃な価格で現地に適した耐久性のある調理技術の開発と採用を拡大することが不可欠です。
2050年までの成果ランキング21位
CO2削減 15.81ギガトン
正味コスト 7.73兆円
正味節約額 17.79兆円