環境再生型農業はやせた土地を回復させる農業です。
例えば、耕さない不耕起栽培、多様な被覆作物、農薬や化学肥料は一切使わないか最小限、などの方法があります。
炭素は、太陽の助けを借りて糖に変換さると、植物や食料を生み出します。
環境再生型農業は微生物を増やします。
慣行農業は土壌炭素の回復は優先しません。土を化学肥料や農薬を投入する媒体として扱います。
農地を耕せば土壌から炭素が放出されます。
環境再生型農業の原則の一つは耕さないことです。
地球の土壌中の炭素の少なくとも50%が過去数世紀の間に待機中に放出されたと推定しています。
その量は実に800億トンです。
農薬に頼った農業から炭素を元あった場所に戻せる農業に移行すれば、もっと効率かつ生産的に土の力を借りた農業ができます。
炭素を増やすことは土壌の生物を増やすと言うことです。
炭素が土壌有機物に貯留されると、微生物が繁殖し、土質が良くなり、根が深く張り、栄養状態の良い植物は害虫に強くなり、肥料が必要ないくらいに土壌肥沃度(どじょうひよくど・植物生育を維持する土壌能力)が向上します。
環境再生型農場では、小麦、ヒマワリ、大麦、オート麦、エンドウ、レンズ豆、アルファルファ干し草、亞麻などの作物を輪作(りんさく・同じ土地に何年かに一度別の種類の農作物を作る方法)することがあります。
植える作物の多様性を持たせ、害虫や菌類がまとまって蔓延しないように保険をかけているのです。
ケイブ・ブラウンは2008年から肥料を一切使わず、15年間農薬や殺虫剤も使っていません。
長い間、農薬や化学肥料なしでは世界を養っていけないというのが通念でした。
しかし、USDA(米国農務省)は今、土を耕すことと農薬・化学肥料を控える農法を試行しています。
土を養えば大気中の炭素が減ります。土壌浸食と水の枯渇で負担するコストは、米国で年間4兆円、世界全体では43兆円です。その96%は食糧生産に由来します。
環境再生型農業は人物、土壌、気候の健全さに同時に取り組みながら、農家の経済的な幸福も高める最大の機会の一つです。
2050年までの成果ランキング11位
CO2削減 23.15ギガトン
正味コスト 6.1兆円
正味節約額 206.51兆円