米は世界全体の消費カロリーの5分の1を占め、小麦やトウモロコシより多く、30億人の日々の食事に欠かせない主食です。
現在、稲作は農業由来の温室効果ガス排出量の少なくとも10%を占め、世界全体のメタン排出量の9〜19%を占めています。
水田からのメタン放出は地球が温暖化するにつれて増えることになります。
メタンの地球温暖化係数(GWP)は最大34倍です。
SRIーSystem of Rice Intensificationー(イネ強化法)は1980年代に農学者のアンリ・デ・ロラニエによって偶然発見されました。
稲作に必要な投入(種もみ、水、肥料)を減らしながら、収量は飛躍的に増やすホリスティックな稲作法です。
世界中で400万〜500万人の農民が実践しています。
インドでは2012年に1ヘクタールの農地から24.7トンの米を収穫して世界記録を達成しました。それは同じ面積の通常の収穫が4.5〜5.5トンですから、その差は歴然としています。
SRIは、つまるところ日光、空気、栄養をたっぷり与えて米を理想的な生育環境を整えることです。
収量が従来の稲作より50〜100%増加するだけでなく、種もみの使用量は80%〜90%、水の投入量は25〜50%減少します。
また、イネは干ばつ、洪水、暴風雨と言った気候変動にも抵抗力があることがわかっています。
ただし、農家がまだSRIを学んでいる初めの数年は必要な労働投入量は従来の稲作より多くなることがあります。
しかし、農家の収入が倍増する可能性もあります。
SRIの実践には従来の集約農法と違い何も買う必要がなく、小規模自衛農家にとって極めて実現しやすいと言うことでもあります。
地球温暖化対策としてこうした取り組みを広めれば、低排出の稲作が世界的に根付いていくでしょう。
2050年までの成果ランキング24位(改良方稲作)
CO2削減 11.34ギガトン
追加コスト不要
正味節約額 55.54兆円
2050年までの成果ランキング53位(SRI農法)
CO2削減 3.13ギガトン
追加コスト不要
正味節約額 72.52兆円