微生物が、有機廃棄物から発生して地球温暖化の原因になる、メタン排出の管理に利用されています。
作物を栽培し、動物を飼育し、食べ物をつくり人々は自らを養っています。
こうした活動が残留物から排泄物などの副産物を生み出します。
その廃棄物を回避する方法はありません。
有機廃棄物は腐敗が進むにつれてメタンガスを放出します。
メタン分子は二酸化炭素の最大34倍の温室効果を発揮します。
しかし、嫌気性ダイジェスター(消化槽)と呼ばれる密閉されたタンクと装置で、メタンの分解を制御することができます。
微生物の力で残飯や汚泥を分解し、エネルギー源のバイオガスと養分豊富な肥料になるダイジェステートという産物を生産します。
実は、有機廃棄物をエネルギー資源として活用することは古くからおこなわれていました。
千年前には、イラクのアッシリア風呂水を温め、ムンバイ近郊の療養施設では1859年にバイオガスシステムを照明に利用しています。
今日では、世界中の裏庭などや産業規模で利用され、増加の傾向があります。
ドイツは2014年時点で、メタンダイジェスターが8000基近く、設備容量合計が約4,000メガワットとなっており、米国でもメタン排出への配慮として採用が増加しています。
中国の農村部では百万人以上がダイジェスターガスを利用しています。
気密性が高く酸素の少ないタンク内で、有機廃棄物が混合されると、微生物がそれを分解します。
微生物が元気な限り、消化過程は持続的に展開します。
ダイジェスターの産物にはさまざまな使い道があり、家庭レベルでは、バイオガスは調理、照明、暖房に、ダイジェステートは家庭菜園や肥料に利用されます。
重要な点は、バイオガスが燃料源としての木材、炭、家畜の糞の需要を減らし、結果健康にも有害な煙を減らすことです。
産業規模で生産される場合、暖房や発電のための化石燃料をバイオガスで代替できます。
また、温室効果ガスの削減に加え、埋め立て処理の量と水を汚染する排水も減らし、臭気や病原体の問題を解消します。
2050年までの成果ランキング30位(大規模)
CO2削減 8.4ギガトン
正味コスト 21.55兆円
正味節約額 15.92兆円
2050年までの成果ランキング64位(小規模)
CO2削減 1.9ギガトン
正味コスト 1.66兆円
正味節約額 1.49兆円